![]() | MW(ムウ) (1) (小学館叢書) 手塚 治虫 小学館 1989-09 by G-Tools |
映画化らしいぞってことで読んでみました。
ある島で政府と某国が秘密裏に開発していたMWと呼ばれる毒ガスが漏れ、島民が全員死亡するという事故が起きた。事件は政府によって闇に葬られ、15年後・・・。
奇跡的に生き残った少年二人のうち、一人は冷酷な殺人鬼に。一人は神父となっていた。
同性愛関係にもある二人の関係と、殺人を結果的に黙認してしまうことに苦悩する神父賀来。
一方、結城はある目的のために動き始めていた・・・。
漫画の神様すげーや、としかいいようがないです。
全2巻にしてこの密度。
善悪の対決というよりは、「本当の悪」とはなんぞや?ということを考えさせられる作品。
結城の悪行をすべて知りながら、抵抗をしながらも、関係を断ち切れない賀来の姿は、
そのまま、悪を憎みながらも、その悪に惹かれずにはおれない人間の愚かしさが見える。
そして、MWと呼ばれる毒ガスを作り出す人間の悪。
結城が悪ならば、その悪は・・・?
映画は映画なりの回答を見せてくれるかなと楽しみにしていたんですが、
「殺すことで生きることを〜」とか監督が言ってる時点で全然期待できそうにもない予感。
設定借りた別物になるんでしょうね。がっかり。
結城をどうしても憎みきれないのは、どんなに彼が犯罪を重ねても賀来が好きである、という人間くさい部分があるから。
結城を殺そうとまで思いつめる賀来も結局そこまでできないのは、15年前の絆と彼が好きであるという一点があるからで・・・・。人間ってさ・・・と思ってしまう。
二人が死んで終っておらず、ラストのあれがあるからこそ、人の悪意の逞しさを感じてしまう。
(政府ののらりくらりの様子と重ねて)
けれど、一方で、ヒゲ親父の「国民をナメルなよォ」にわずかながらの希望も予感させてくれる。
しかし、賀来を失って自分の寿命もあとわずかながら、どこまでやるのかな彼は。
気になってしゃーないですわ。
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